研究室のカバー範囲
私自身は、これまでスクールソーシャルワーカーの社会学的な研究に取り組んできました。スクールソーシャルワーカーは、学校において福祉的な支援に従事する専門職です(こちらも参照してください)。また研究と並行して、私自身もスクールソーシャルワークの実務に取り組んできました。以上の経験をふまえると、担当教員のカバー範囲は概ね次の3つ並びにこれらが重なるところになります。
《キーワードの例》
① 学校教育における生徒指導上の諸問題やその支援に関すること・・・不登校、いじめ、非行、保護者対応、非行、学校文化、学校組織、教職員の問題、教育相談体制 等
② 子ども家庭福祉領域における諸問題やその支援に関すること・・・児童虐待(防止活動)、子どもの貧困、児童相談所、子どもの居場所、社会的養護 等
③ 社会学的な考え方や研究方法論・・・質的な社会調査(インタビュー調査・フィールド調査等)、量的な社会調査(アンケート調査・二次分析等)、「どうあるべきか」の前に「どうなっているのか」 等
《重なるところ》
①×②・・・スクールソーシャルワーク、教育福祉論
②×③・・・(子ども領域の)福祉社会学
③×①・・・教育社会学
皆さんが考える卒業研究がこれら範囲内であれば、対応が可能な場合が多いです(重なるところであれば自信をもって指導が可能です)。逆に、この他となった場合、対応が不可能な場合があります。研究室訪問時に相談しましょう。
研究室への参加・配属
障害科学類生に関しては、3年次必修の「卒業研究Ⅰ」の相談教員ならびに4年次必修の「卒業研究II」の主指導教員として登録することができます。研究室訪問が開始したら、なるべく早めにプロフィールページに記載の教員の連絡先宛てにアポを取ってください。
なお障害科学類には、障害科学全般をカバーする多様な教員が在籍しています。(私一個人の意見としては、)視野を広げた上で相談教員(主指導教員)を決定してほしいと考えていますので、できるだけ多くの研究室を訪問し、比較して検討してみてください。また私の研究室を訪問いただいた際に、マッチングを考慮し、別の研究室を案内することもあります(もちろん強制ではありません)。予めご了承ください。
障害科学類生以外の筑波大学生に関しても、単位にはなりませんが、参加いただくことが可能です。まずはお問い合わせください。
指導方針とグランドルール
藤本研究室では、指導を行う全ての学類生に対し、次のような指導方針で指導を行います。研究室訪問の際に改めて説明しますが、予め理解したうえで参加してください。
①ゼミ生の主体的な関心をできるだけ尊重し、深められるようにサポートします。
②風通しよく、言いたいことを忌憚なく言いあえるような関係性を目指します。
③個別の研究指導と、集団でのゼミを両方大事にし、それぞれの教育効果を織り合わせられるように努めます。
※適宜改訂します
また指導を受ける全ての学類生については、次のグランドルールを守って活動に参加することを求めます。研究室訪問の際に改めて説明しますが、予め理解したうえで参加してください。
①自他の関心を大切にしあおう
②お互いの研究が伸びるようなコメントをしあおう
③自分の研究も大事にしつつ、ゼミへも貢献しあおう
※適宜改訂します
研究室での活動
障害科学類の3年次必修科目「卒業研究I」ならびに4年次必修科目「卒業研究II」のスケジュールに合わせて、週に1回開催される集団のゼミと、適宜行う個別の研究指導とを組み合わせて、各自の研究関心を一定水準の卒業研究へと結実させる指導を行っていきます。将来的には、学類生・大学院生での共同研究もスタートしていければと考えています。
卒業研究に向けたスケジュール
大まかなスケジュールは下記の通りです。なお実態に合わせてスケジュールは適宜変更されます。
3年生の5~7月:(集団)文献の精読・比較手法の習得 (個別)研究室訪問の受入れ、テーマの検討
↓
3年生の8~9月:(集団)なし (個別)自身の問いに基づく文献レビュー
↓
3年生の10~12月:(集団)研究方法論の習得 (個別)文献レビューのまとめと研究デザインの検討
↓
3年生の1~3月:(集団)研究デザインの検討と倫理審査申請準備 (個別)「卒業研究Ⅰ」レポートの準備
4年生の4月:(個別)卒業研究デザイン発表に向けた準備・発表・振り返り
↓
4年生の5月:(個別)倫理審査申請
↓
4年生の6~10月(個別)調査の実施・分析(主に卒業研究の前半をいったん仕上げる)
↓
4年生の10月 :卒業研究中間発表
↓
4年生の11月~12月:(個別)調査の実施・分析(卒業研究の全体を仕上げきる)
↓
4年生の1月 :卒業研究最終発表
↓
卒業!
Q&A(これまでの研究室訪問の質問より抜粋)
・研究室やゼミの雰囲気が知りたいです
例年5月~8月ごろが研究室訪問の期間となっておりますので、その期間に研究室訪問を行ってください。希望に応じて集団のゼミにも参加いただき、ゼミ生と話をすることで、雰囲気を知っていただくことができるかと思います。
その他、ゼミ生(有志)でたまに食事会もしたりするなどして、交流を深めています。教員としては、前述の指導方針やグランドルールに基づいて運営をすることを心がけています。
・ゼミや個別の研究指導はどこでやるんですか?
ゼミや個別の研究指導は筑波キャンパスでの対面開催と、Microsoft Teamsを用いたオンライン開催を併用して実施します。私の研究室は東京キャンパスにありますが、「ゼミや個別の研究指導のたびに東京キャンパスに来なければならない」というわけではありませんので、その点はご安心ください。また(物理的な意味での)研究室が筑波キャンパスにない分、文献の取り寄せや効果的な管理方法などに対するサポートは充実させています。詳しくはお問い合わせください。
・障害科学類生以外も参加することはできますか?
卒業研究に向けた個別の研究指導はできませんが、ゼミに関しては全学から参加いただくことは可能です。特に私が研究テーマとしているスクールソーシャルワークは、学校を拠点として支援を展開するという点では教育学類の学生の関心と合致します。また学校のスクールカウンセラーや児童相談所の児童心理司等、子ども・学校領域の心理職を目指す方にも役立つ学びがあろうかと思います。また主に用いている社会学的な研究法は、社会学類の社会学主専攻とも重なるところがあります。
ただし学習効果を高めるために、参加されたい方にはできるだけ継続的に参加をお願いしたいと考えています。開講時間帯やスケジュール等は時期によって多少変わりますので、都度お問い合わせください。
・社会福祉学履修モデル以外の障害科学類生でも研究室に入れますか?
はい、特定の授業履修を前提とはしていないため、もちろん可能です。ただし、たとえ社会福祉学履修モデルではなくとも、私の授業は予め受講しておくことをお勧めします。受講する中で、教員の人となりや関心がわかるため、ミスマッチングを防ぎやすくなるかと思います。
・研究フィールドは研究室単位で提供していますか?
研究室単位で共通の研究フィールドを持っているわけではありませんので、原則として、研究対象は学生・大学院生が個々人で開拓していただく必要があります。ただし、私の個人的なつながりや、筑波大学内のリソースであれば、紹介が可能な場合があります。個別にご相談ください。
・障害科学類の他の研究室と比較した、藤本研究室のユニークさはなんですか?
自分では何とも捉え難いところではありますが、ここでは2つ取り上げたいと思います。
1つ目は、新しい研究室であるという点かと思います。私の前任校は早稲田大学で、2024年4月に筑波大学に着任しました。筑波大学にはこれまでスクールソーシャルワークを専門とする研究者はいませんでしたので、その意味では研究テーマ・方法ともに、従来の障害科学域にはない新しい研究室であるといえます。
2つ目は、積極的な研究指導を行うことです。上述の「卒業研究に向けたスケジュール」に書いた通り、研究室の学類生・大学院生には、(たとえ1回あたりの発表時間は短くとも)できるだけコンスタントにご自身の研究の進捗を発表していただきます。発表の回数を増やすことで、フィードバックを多く受けることが可能となり、研究後半になっての大幅な軌道修正で苦しむことを減らすことができると考えているからです。
研究室訪問やゼミの参加に関しては、下記のプロフィールページに記載の連絡先からお問い合わせください。