授業概要
学校とは何か、公教育はどのような役割を果たしているかを中心として解説・説明する。学校制度の歴史と現状について、基本的な内容を理解する。また、教育行政制度、教育財政制度の基本的な事項について理解するとともに、学校の設置、運営、経営に関する基本的な事項について理解を深める。 さらに、教育と福祉の連携、学校と地域社会の連携、教員の研修や養成に関わる制度改革など、今日の教育課題について、多様な観点から検討する。
授業の到達目標 教職を目指す者に必要とされる、教育の制度や経営に関する基礎的な事項、教育をとりまく社会的な事項について、理解することを目標とする。これらの基礎を理解した上で、教育の諸課題について多様な観点から考察を深める。
事前・事後学習の内容
事前学習:各回の前の授業で指示する資料(文献や映像等)に目を通しておくこと。(事前学習には120分程度かかると想定されます。)
事後学習:授業を受けて自分が考えたことをレビューシートにまとめ、Moodleから提出すること。(事後学習には120分程度かかると想定されます。)
授業計画
第1回 オリエンテーション
キーワード:教育と福祉の連携、学校と地域社会の連携、教員の研修や養成に関わる制度改革など、今日の教育課題
第2回 社会の中の学校教育① 家族の中の生徒
キーワード:子供の生活の変化、貧困、虐待
第3回 社会の中の学校教育② 地域社会と学校教育
キーワード:地域と学校の連携・協働、開かれた学校づくり、コミュニティ・スクール
第4回 社会の中の学校教育③ 学歴社会と学校教育
キーワード:学校を巡る近年の様々な状況の変化、シグナリング理論、文化的再生産論
第5回 社会の中の学校教育④ 改革が進められる学校教育
キーワード:教育政策、中央教育審議会、「『令和の日本型学校教育』を担う教師の養成・採用・研修等の在り方について」
第6回 社会の中の学校教育⑤ 海外の学校教育との比較
キーワード:アメリカの教育事情・教育改革の動向
第7回 制度に支えられる学校教育① 公教育の原理と理念
キーワード:義務制・無償制・「公立義務教育諸学校の学級編成及び教職員定数の標準に関する法律(義務標準法)」
第8回 制度に支えられる学校教育② 代表的な教育法規の全体像と改正の潮流
キーワード:日本国憲法、教育基本法、学校教育法
第9回 制度に支えられる学校教育③ 教育委員会をめぐる価値と権力の対立
キーワード:教育行政、教育委員会制度、「地方教育行政の組織及び運営に関する法律(地方教育行政法)」
第10回 経営の観点から見る学校教育① 「人格の完成」に資する教育活動
キーワード:公教育の目的、学校経営の望むべき姿
第11回 経営の観点から見る学校教育② 教育活動の計画と学校評価
キーワード:教育活動の年間の流れ、学校評価の基礎理論、PDCAの重要性
第12回 経営の観点から見る学校教育③ 学級経営を支える連携・協働
キーワード:学級経営の仕組み、学級経営の効果的な方法、学校外の関係者・関係機関との連携・協働の在り方
第13回 経営の観点から見る学校教育④ 学校安全への適切な対応
キーワード:学校の管理下で発生する事件・事故・災害、危機管理・事故対応、生活安全・交通安全・災害安全
第14回 講義のまとめ
キーワード:教育の社会的・制度的・経営的事項、学校と地域との連携、学校安全への対応
教科書
特に指定しません。各回の授業前にMoodleに資料をアップロードします。
但し、第6回の授業で取り上げる「フリーダム・ライターズ(米・2007年)」の全編については、AmazonPrimeにて有料でレンタルすることが可能です(2024年1月時点)。複数回視聴することでレビューシートが書きやすくなりますので、授業前に一度自分で視聴しておくことを推奨します。
https://www.amazon.co.jp/dp/B00G884NBU
参考文献
〈社会的事項の基礎を中心に学習したい場合〉
・中村高康・松岡亮二編著『現場で使える教育社会学』ミネルヴァ書房,2019年。
〈制度的事項・経営的事項の基礎を中心に学習したい場合〉
・本図愛実・末冨芳編著「新・教育の制度と経営[四訂版]」学事出版,2023年。
その他、各授業回での学習内容に関連した参考文献を配布資料の中で紹介します。
成績評価方法
レポート: 35% 第14回授業後に提出(内容8点×4項目+形式3点=35点満点)
平常点評価: 65% レビューシート:第1回~第13回の授業終了後に提出(各回 5点満点×13回=65点)
備考・関連URL
・各回で提出されたレビューシートについては、Moodle内で共有するとともに、次回授業の冒頭で抜粋の上フィードバックを行います。欠席が必要な事情があれば、事前にMoodleのメッセージ機能で教員まで連絡・相談してください。
・本授業では、授業の前半(40分程度)は講義、その後受講生間での振り返り(10分程度)を行った上で、授業の後半(50分程度)はケーススタディやロールプレイ、映像視聴等をふまえたディスカッションといったグループワークを実施します。